こんな生活習慣が危ない
生活習慣病には、加齢や遺伝などの本人の意思では変えられない要因も関わることがあります。 しかし、それだけで病気にいたるのではなく、良くない生活習慣の積み重ねが加わることで、病気につながるのです。したがって、生活習慣を改善することで様々な病気を予防できたり、軽症のうちに抑えることも可能なのです。
病気の要因となる生活習慣には、「食生活」「運動」「ストレス」「喫煙」「飲酒」などがあります。
食生活 ≪食事内容の欧米化で肥満が増加≫
人は食事から栄養を取り入れて、健康を維持したり、活動エネルギーを得ています。毎日の食べたものが自分の体を作っているわけですから、食事が及ぼす影響は非常に大きなものです。日本人の食生活は50年前と比べて大きく変貌しました。和食から洋食中心となり、動物性脂肪の摂取が大幅に増えたのです。もともと日本人には遺伝子の影響で、飢えなどに備えて脂肪をため込みやすい体質の人が多くいます。
そうしたことも関わって、食生活が欧米化すると、肥満になる人が増加しました。肥満は、がんや心臓病、脳卒中、高血圧、糖尿病、高脂血症など、多くの生活習慣病の危険因子となります。
運動 ≪運動不足は肥満やストレスのもと≫
日ごろ、特に運動習慣がない人は多いのではないでしょうか?(私もですが^^;) 私たちが暮らす社会では、車や電車・バス・タクシーなどによって移動が便利になり体を動かす機会が減っています。そのような生活環境の中では、意識して体を動かさないと運動不足になり、様々な生活習慣病の危険因子になる「肥満」を助長することになります。
また、運動不足は、生活習慣病の危険因子である「ストレス」も
増幅させるので、気持のよい汗を流すチャンスを積極的につくり、
「肥満予防」と「ストレス解消」両方を一緒に解決するように心がけたいものです。
ストレス ≪血圧や血糖値を上げ、がんの発生要因にも≫
ストレスは社会生活の中で避けられないものですよね。ストレスには、 対人関係で生まれるような「精神的なストレス」病気やけがなどで「体にかかるストレス」暑さ、寒さ、騒音のような「環境ストレス」 など様々なものがあります。
心身を休め、ストレスを解消できないと、体に悪影響を及ぼすことがあります。
たとえば、血圧や血糖値がストレスによって上昇することは明らかになっています。また、胃や十二指腸潰瘍などは、ストレスが大きな要因になる病気もあります。さらに、ストレスは、「活性酸素」を大量に発生させ、活性酸素は動脈硬化を進行させたり、細菌やウイルスから体を守る「免疫」の働きを低下させます。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなるだけでなく、がんの発生要因にもなります。
喫煙 ≪がん以外にも様々な病気の原因に≫
禁煙は、肺や咽頭など様々な器官にがんを引き起こす危険因子です。また、動脈硬化を進め、糖尿病、高血圧、高脂血症などにも影響を及ぼします。現在、急増している
COPD(慢性閉塞性肺疾患) を引き起こす主な原因でもあります。
喫煙によって、ストレスを解消できたような気分になる人もいますが、健康に対しては非常に大きな被害をもたらすことになります。さらに、いったんタバコを吸う習慣が身につくと、ニコチン依存症になりやすく、なかなかやめられなくなります。健康のためには、禁煙が賢い選択ですね。
飲酒 ≪消化器系のがんや肝臓病をまねきます≫
飲酒は、適量を守ればストレス解消効果や、善玉コレステロール増加など、体によい面もあります。しかし、多量の飲酒は、肝臓やすい臓など消化器のがんや糖尿病、高血圧高脂血症、痛風(高尿酸血症)などの様々な生活習慣病をまねいてしまいます。アルコール性肝疾患などの直接の原因となることもありますので量と頻度に注意が必要です。
三大生活習慣病と三大死因
現在、日本の三大死亡原因は、
第1位が 癌(がん)
第2位は 心臓病・心疾患
第3位に 脳卒中・脳血管疾患 が続きます。
この3つの疾患は三大生活習慣病(三大成人病)と呼ばれ、全死因の60%を占めています。次に、三大生活習慣病がどのような病気か、また予防と対策のための生活習慣や料理レシピの工夫をみてみましょう。