炭水化物・糖質の働き
炭水化物はエネルギー源として最も重要で、特に穀類・芋類などのデンプンが食糧として大きな比重を占めています。日本では、1日の総摂取エネルギーの60%程度を炭水化物から得ています。
炭水化物は、1g当たり4kcalのエネルギーを産生し熱や力のもとになりますが、炭水化物がエネルギーを出すためにはビタミンB1が必要であり、同時に摂取すると効率がよくなります。炭水化物を多く摂るほど、ビタミンB1は必要になります。
炭水化物はエネルギー源としてすぐに利用されない場合は、グリコーゲンに合成され肝臓や筋肉に貯蔵されたり、脂肪となって皮下に貯蔵されたりします。そのために炭水化物の過剰摂取は肥満の原因になりますが、グリコーゲンや脂肪は空腹時のエネルギー源として重要です。
また、エネルギー源として炭水化物を摂っていれば、たんぱく質の分解によるエネルギー生成は必要なくなるので、たんぱく質の余分な消耗が防げると共に、
体たんぱく質分解による腎臓への負担を減らすことが出来ます。
糖質はたんばく質、脂質と並ぶ三大栄養素の一つで、炭素・水素・酸素からできる化合物の総称です。ちなみに炭水化物とは、糖質と食物繊維が一体になった 米や小麦粉などをさします。
糖質は、炭素・水素・酸素で構成される有機化合物で、体の主要なエネルギー源です。人を含めた動物の体内にはわずかしか存在しないため、植物が光合成によって生成するデンプンなどをエネルギー源として食物から摂取しなければなりません。
栄養学でのカロリーは、1g当り4kcalのエネルギー源となります。
消化・吸収されて血液といっしょに全身をめぐります。
特に脳では血液中の糖質(ブドウ糖)だけがエネルギー源なので、朝食を抜くと、
糖質が不足して頭がボーっとするなどの症状が起きることがあります。
経験があるのではないでしょうか?
また糖質は、同じエネルギー源でも脂質やたんぱく質と比べると、すばやく使えるという
特長があります。ですから、ウォーキングなど長時間の軽い運動には主に「脂質」が
使われますが、短距離走のように短時間の激しい運動には、「糖質」からのエネルギー
が使われます。
糖質の体内での存在量は意外に少なく、血液中のブドウ糖のほか、肝臓や筋肉に
グリコーゲンとして少量を貯蔵しているだけです。余分に食べた糖質は、体の中で
脂肪となって蓄積されるからです。余分な炭水化物(糖質)は、中性脂肪となって
体内に蓄積されてしまいますので、摂りすぎには注意が必要です。
糖質の種類と特徴
糖質は単糖、少糖、多糖に分類され、それぞれの働きをしています。単糖は最小単位の糖で、ブドウ糖や果糖、ガラクトースがあります。少糖は単糖が2個あるいは数個結合したもので、ショ糖や麦芽糖、乳糖があります。多糖とは単糖が数千、数百万と結合した糖類で、デンプンやグリコーゲン、オリゴ糖などがあります。
糖質は体内に入ると、最小単位の単糖まで分解され、小腸で吸収されます。吸収された単糖は、門脈を通って肝臓でブドウ糖に変えられ、血液を通して各細胞に運ばれ、エネルギー源やからだの構成要素となります。糖質1gは、4kcalエネルギーを生みます。
過剰な糖質は、グリコーゲンに変えられ肝臓や筋肉に貯蔵されます。このグリコーゲンの貯蔵量にも限界があり、その許容量を超えると、脂肪となり蓄積されます。また、糖質の中でも砂糖は、虫歯や糖尿病の原因にもなるので注意しましょう。
糖質が不足すると、エネルギー不足となり、疲労感におそわれます。特に脳は、ブドウ糖が唯一のエネルギーなので、血糖値が下がると集中力が欠け極端に低下すると意識を失うこともあります。
通常、血糖値が下がると、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが分解されてブドウ糖になります。これが尽きると、今度は、からだを構成するたんぱく質(アミノ酸)がブドウ糖に変化してエネルギーにします。これを糖新生といいます。たんぱく質が失われるので肌の衰えを招くことに。ダイエット中でも、一日100g以上の糖質を確保しましょう。