ミネラルとダイエット食品
ミネラル(無機質)とは、ビタミンと同様に体の機能の維持・調節に欠くことのできない栄養素です。とても少ない量で重要な働きをするところはビタミンと同じですが、ビタミンと異なることは、ミネラルは体の構成成分にもなっているという点です。
ミネラルはいろいろな食材から摂取できますので、サプリメントやダイエット食品を利用している場合の、ミネラル摂取過多には注意が必要です。
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カルシウム(Ca)
骨や歯を健康に保つために必要なミネラルです。
その他、心臓の鼓動を保ったり、神経の興奮を抑えたりとさまざまな生理機能があります。現在のところ「所要量」に対して摂取不足の傾向が日本人に見られるため、(「所要量」が多すぎるという議論もあります)ほとんどの栄養関係の指導者が「カルシウム不足」への警鈴を鳴らしています。
そのためにダイエット食品に大量に添加されていることが多く、逆にサプリメントやダイエット食品を組み合わせて摂取している方は摂り過ぎ(許容上限摂取量)に注意が必要です。
カルシウム(Ca) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
●煮干、ししゃも、かわさぎ、しらす干し、ごま、脱脂粉乳、牛乳
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鉄・鉄分(Fe)
赤血球の成分で、鉄が不足すると赤血球の生成が妨げられ貧血になります。
特に血液の排出量が多い女性に不足が目立つため、女性のダイエッターは鉄分不足には特に注意してください。
ただし、サプリメントやダイエット商品での摂取や誤飲による過剰症もありますので、サプリメントを摂取している方は許容上限摂取量にも注意は必要です。
鉄(Fe) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
●赤貝、大豆、内臓類、、青のり、いんげん豆、小松菜、かき、きくらげ
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リン(P)
リンはカルシウムとともに骨や歯を形成するほか、細胞内のエネルギー代謝に欠かせない非常に重要なミネラルです。
ところが、広く食品に含まれている(特に肉類、魚介類、乳製品に多い)ことと、加工食品の添加物として広く使われているため、現代人においては過剰摂取の方が問題視されています。
リンの摂取量は、カルシウムの代謝に影響を与えるため、理想的にはカルシウムの摂取量と同程度の摂取量がよいとされますが、現実的にはリン過多に陥っている人が多く、日ごろからカルシウム摂取量を増やしつつ、リン摂取量を減らす(加工食品や肉類を食べ過ぎない)心がけが大切です。
リン(P) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
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銅(Cu)
鉄の輸送、コレステロールや糖の代謝、骨の強度維持などに関わるミネラルで、不足すると貧血、白血球の減少、骨の異常、成長障害などにつながります。
同じ貧血を起こす鉄などに比べて必要量も少なく、広く食品に含まれているため極端な食事制限をしない限り不足になることはありません。
銅(Cu) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
● するめ、しゃこ、内臓類(レバー)、アーモンド、カシューナッツ、大豆
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ヨウ素(I)
甲状腺ホルモンと関係が深い、世界的には不足が問題になっているミネラルです。
ただ、日本人はヨウ素を多く含む海藻類や魚介類を日常的に摂取しているため、例外的に過剰の方が問題になることが多いようです。
ダイエット食品やサプリメントとして海藻類を多食する方は、ヨウ素の摂り過ぎ(許容上限摂取量)に注意しましょう。
ヨウ素(I) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
●さば、、わかめ、のり、ぶり、寒天、、内臓類(レバー)
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マンガン(Mn)
骨の代謝、糖や脂質の代謝、皮膚の代謝などに関係するミネラルで、植物性の食品に多く含まれており、通常の食生活では不足も過剰も見られません。
極端な食事制限や、肉食に極度に偏るダイエットを行う方以外は、特にサプリメントやダイエット食品等で補う必要はないでしょう。
マンガン(Mn) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
● 栗、アーモンド、大豆、くるみ、ごま、ヘーゼルナッツ、干しずいき、ふだんそう
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セレン
ビタミンEと共に強力な抗酸化物質で、過酸化脂質などの分解に活躍し、動脈硬化や老化の抑制をする働きがあります。
しかし、一方で中毒性も強く、過剰摂取により、疲労感、脱毛、爪の変化、吐き気、末梢神経障害などを起こします。必要量と過剰の量の開きが少ないため、特にサプリメントやダイエット食品などの過剰摂取に注意しましょう。
セレン(Se) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
● いわし、わかさぎ、かれい、、ねぎ、ビール、たら、内臓類、玄米、さんま、卵
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亜鉛(Zn)
約300もの酵素の成分であるため、不足すると成長障害、食欲不振、皮膚障害、性機能不全、味覚障害、精神障害(うつ状態)、免疫機能低下など、さまざまな問題を引き起こします。 過剰症はおこりにくいといわれていますが、現在研究中の部分も多く許容上限摂取量には注意しましょう。
亜鉛(Zn) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
●肉類、内臓類、、うなぎ、たこ、そらまめ、カシューナッツ、そば粉
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クロム(Cr)
正常な糖代謝や脂質代謝の維持に不可欠なミネラル。野菜、穀物、肉、魚など多くの食品に含まれているので不足することはほとんどありませんが、極端な食事制限や偏食でダイエットを行う場合は不足に注意してください。
「糖」「脂質」というダイエットに関係深い物質の代謝に関わるためダイエット食品中にも添加されることが多いようです。ただし、足りなければ困りますが、たくさん食べればやせるというものでもありませんので、勘違いして摂り過ぎないように注意しましょう。
クロム(Cr) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
● 内臓類、肉類、、しじみ、小麦胚芽、ほたて、ワカメ、のり、キャベツ、卵
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モリブデン(Mo)
いくつかの酵素がモリブデンを必要としているので、微量ながら不可欠なミネラルです。
穀物や豆類、乳製品などに含まれているため通常は不足することはありません。
モリブデン(Mo) の効果・欠乏症・過剰症・必要な人・症状についてはコチラ
●大豆、内臓類(レバー)、牛乳、小麦胚芽、グリンピース、にんにく
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